20年前に1万円で買ったApple株1株が「100万円超」に?しかしカリフォルニア州に没収されていた話
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20年前に1万円で買ったApple株1株が「100万円超」に?
しかしカリフォルニア州に没収されていた話

昔ノリで買った忘れ物が、部屋の片隅から出てきた経験はありませんか?


I.

部屋の片隅から出てきた「20年前の忘れ物」

先日、部屋の片隅から一枚の書類が出てきました。今から約20年前、「OneShare.com(ワンシェアドットコム)」という海外サイトで、インテリア感覚で買ったApple(アップル)の株式「たったの1株」です。

これは彼女が持っていたもの。当時は1万円ちょっとで、「Appleの株主なんだぜ」なんて額縁に入れて飾っていたのですが、ふと思い出しました。

「……これ、今いくらになってるんだろう?」

調べてみたら、衝撃の事実と、アメリカの恐ろしい法律の罠が待ち受けていました。


II.

たった1株が「28株」に増殖!?株式分割の魔法

Appleといえば、iPhoneを世界中で爆発的にヒットさせ、世界トップクラスの巨大企業に成長した会社。株の世界には「株式分割(株を細かく分けて数を増やすこと)」という仕組みがあります。

彼女が1株を買って放置していた20年の間に、Apple株はなんと3回も分割を繰り返していました。

購入時
1株
→
2005年 1:2分割
2株
→
2014年 1:7分割
14株
→
2020年 1:4分割
28株

「え、1株しか買ってないのに28株になってるの!?」——そうなんです。ケーキを細かく切り分けるように、1株は28株に増殖していたのです。


III.

【計算】1万円がなんと「約140万円」の資産に化けていた

株数が増えただけではありません。Apple自体の株価の上昇と、近年の「歴史的な円安」が合わさることで、とんでもない掛け算が起きていました。

項目20年前(購入時)現在増減
保有株数1株28株28倍
1株の価格約90ドル約330ドル約3.6倍
ドル円レート1ドル=約115円1ドル=約155円約1.3倍(円安ブースト)
総資産価値の変化
約10,000円 → 約1,430,000円
約143倍

たった1万円のおもちゃ感覚で買った1株が、20年放置しただけで140万円オーバーに化けていたのです。まさに現代のタイムカプセル、埋蔵金発掘です。

「よっしゃーー!今すぐ換金して美味しいものを買うぞ!!」

……と大歓喜したのも束の間。ここから絶望のシナリオが始まります。


IV.

画面を見たら「0株」!?米カリフォルニア州に没収されていた

急いで名義管理会社(Computershare)のアカウントを確認しようとしたところ、「該当なし(または0株)」という表示が。

「え、OneShareはサービス終了してるし、彼女の140万円どこ行ったの!?」

Apple Inc.とComputershareから届いた封筒

Apple Inc.とComputershareから届いた、今回の発端となった封筒。

必死で調べた結果、アメリカの恐ろしい制度に行き当たりました。それが「Escheatment(エスチート:未回収財産保護制度)」です。

エスチート制度とは?

アメリカでは、口座や株式が長期間(通常3〜5年)放置され、所有者と連絡が取れなくなると、「死亡または権利放棄」とみなされ、州政府(Appleの場合は本社があるカリフォルニア州)へ資産が自動的に移管(実質的な没収)されてしまうという法律がある。

140万円相当のApple株は、ロサンゼルス(カリフォルニア州政府)の金庫へ引き渡されていました。


V.

【逆転劇】没収されたお金は取り戻せる!具体的手順

「アメリカ政府に没収されたら終わりじゃん……」と諦めるのはまだ早いです。実はこの制度、「元の所有者が名乗り出れば、時効なしで返還してくれる」というルールになっています。株そのものは州が売却して現金化されているケースが多いですが、その時点の現金、あるいは資産として戻ってきます(配当金を含む)。

ここからは、同じように「昔買った海外株が消えた!」という人のために、カリフォルニア州からお金を取り戻す(Claimする)具体的なステップを解説します。

  1. カリフォルニア州政府の公式データベースで検索する カリフォルニア州主計官事務所(State Controller’s Office)の未回収財産(Unclaimed Property)専用サイトにアクセスする。
    • Last Name:英語で苗字を入力
    • First Name:英語で名前を入力
    • 購入当時のローマ字表記や、当時の住所(英語)で検索するのがコツ

    ※詐欺サイトに注意し、必ず末尾が .gov の公式サイトを使うこと。

  2. 該当する財産(Property)を見つけて「CLAIM」を押す 自分の名前と当時の住所に合致するデータ(Apple Inc.からの未回収金など)が出てきたら、「CLAIM」ボタンを押して申請手続きに進む。
  3. 本人確認書類を提出する 州政府から求められる書類を提出する(オンラインアップロードまたは郵送)。
    • パスポートのコピー(本人確認)
    • SSN(社会保障番号)を持たない旨の申告書(日本人の場合)
    • 当時の住所に住んでいた証拠(当時の郵便物や購入時のOneShareの書類など)
  4. 指定口座へ返金される 審査が無事に通れば、カリフォルニア州政府から小切手や口座振込の形で資産が戻ってくる。

VI.

まとめ:あなたの家にも「眠れるお宝」はありませんか?

1万円が140万円に化けていた歓喜から一転、カリフォルニア州政府に没収されていることが発覚した、彼女のApple株。

現在、「カリフォルニア州政府から取り戻す泥臭い英語バトル」の真っ最中です。少額の場合に限りですが、現在では全てオンラインでできるようで、ここに至るまでの道のりが、なんだかんだ楽しかったです。

あなたの家にも、忘れられた「タイムカプセル」が眠っているかもしれません。