Apple Intelligenceでできること一覧

2026.09.02  |  Apple / AI

Apple Intelligenceでできること一覧 ― 結局、何に使うの?を整理してみた

文章作成からSiri強化、翻訳、ChatGPT連携まで。Apple Intelligenceの全機能を棚卸ししてみます。

Apple Intelligenceでできることを大きく分けると、文章をAIに処理させる、メール・通知・メッセージを整理する、画像を生成・編集する、写真をAIで検索・整理する、Siriを賢くする、カメラで見たものをAIに調べさせる、翻訳する、ショートカットをAI化する、ChatGPTをAppleの機能から呼び出す、という感じです。一つずつ見ていきます。

I

作文ツール(Writing Tools)

これはApple Intelligenceのかなり基本的な機能です。文章を選択すると、AIに文章を処理させられます。

書き直し:例えば、「明日の会議についてですが、都合が悪くなりました」という文章を書いたとして、丁寧にする、カジュアルにする、簡潔にする、ビジネスっぽくする、などの書き換えができます。

校正:文章の文法、スペル、表現などをチェックできます。

要約:長い文章を、要点だけ、箇条書き、短く、といった形にまとめられます。

Smart Reply:メールやメッセージの内容を理解して、返信候補を作ってくれます。つまり、「返信を考えるのが面倒」という作業を減らす機能です。Apple公式ではメールやメッセージのスマートリプライ、要約もApple Intelligenceの機能として案内されています*1。

II

メールをAIで整理する

メールアプリにもAIが入ります。

  • 優先メッセージ:重要そうなメールを優先的に表示します。今日中に返事が必要、予約確認、重要な連絡などを見つけやすくする方向です。
  • メールの要約:長いメールを全部読まなくても、「結局何の話?」を短く確認できます。
  • スマートリプライ:メールの内容に合わせて返信候補を作ります。
III

通知の要約

大量の通知が来る人には結構分かりやすい機能です。例えば、LINE、メール、ニュース、SNS、アプリのお知らせが大量に来た場合、それぞれの内容をAIがまとめて表示できます。つまり、通知を一個ずつ読む作業を減らすということです。

IV

「さまたげ低減」集中モード

これもAIを使っています。重要そうな通知を判断して、「これは今見たほうがいい」という通知を優先する考え方です。Apple公式の機能一覧にもApple Intelligenceによる「さまたげ低減」が掲載されています*1。

Creation
V

Genmoji

ここはApple Intelligenceらしい機能です。普通の絵文字にはない、オリジナル絵文字をAIで作ることができます。例えば、「サングラスをかけた猫」みたいな感じ。「そんな絵文字ないよ」というものを自分で作れます。友達とのメッセージなどで使うのが主な用途です。

VI

Image Playground

さっき話していた画像生成です。Apple IntelligenceにはImage Playgroundがあります。Apple公式の現行機能一覧でも、日本語環境で利用可能な機能として掲載されています*1。

ただし、ここは重要。ChatGPTの画像生成と同じものだと思わないほうがいいです。Image Playgroundは、イラスト、アニメーション的な画像、スケッチ的な画像など、Appleが用意した方向性で画像を作ることが中心です。だから、「AI画像をガチで作りたい」という人より、「メッセージ用にちょっと面白い画像を作りたい」という人向けです。

VII

写真の「クリーンアップ」

これはかなり実用的。写真に写り込んだ不要なものを消します。例えば、観光地で写真を撮った、後ろに知らない人が写っている、その人を消す、といった使い方。写真アプリに組み込まれているので、別の画像編集AIを開く必要がありません。Apple公式でも「写真:クリーンアップ」として提供されています*1。

VIII

写真を自然な言葉で検索

これも地味ですが便利です。例えば写真が何万枚もあるとします。普通なら、「どこにあったっけ?」となります。Apple Intelligenceを使えば、自然な言葉で探せます。例えば、「海で撮った写真」「去年の旅行の写真」「犬が走っている写真」のように検索する方向です。Appleの現行機能一覧にも「写真:自然な言葉づかいでの検索」が掲載されています*1。

IX

メモリームービーを作る

写真アプリにある大量の写真から、AIに「こんな感じの動画を作って」と指示して、メモリームービーを作る機能です。例えば、「去年の北海道旅行」みたいなテーマで写真を探して、思い出ムービーを作る、といった使い方です。これもApple Intelligenceの機能として提供されています*1。

X

Image Wand

iPadを使っている人には面白い機能です。手書きのスケッチなどをAIで画像に変換できます。例えば、丸を描く、人物っぽいものを描く、AIが画像として整える、というような使い方。Apple公式では「画像マジックワンド」として掲載されています*1。

Vision
XI

ビジュアルインテリジェンス

これは結構重要。カメラや画面に映っているものをAIに理解させる機能です。例えば、植物を撮る→「これは何?」、動物を撮る→「これは何?」、お店や場所を見る→情報を調べる、といった使い方ができます。Appleの現行機能一覧には、植物・動物の認識や場所の特定などが含まれています*1。

XII

画面上のものをAIに調べさせる

ビジュアルインテリジェンスは、カメラだけではありません。今iPhoneの画面に表示されているものを理解させる方向にも拡張されています。例えば、Safariで何かを見ている、「これについて調べたい」、AIに画面の内容を理解させる、という使い方。Appleは画面上に表示されているものを対象にしたビジュアルインテリジェンスを段階的に拡張しています*1。

XIII

Siriの強化

ここがApple Intelligenceの目玉だった部分。Siriの、自然な会話、文脈理解、製品についての質問、タイプ入力、リクエスト処理などを強化します。

  • Siriに文字で入力:声を出したくないとき、Siriに文字で質問できる。
  • 言い間違えても理解しやすくなる:普通のSiriより自然な話し方に対応する方向。
  • Apple製品について質問:「iPhoneでスクリーンショットを撮る方法は?」のような使い方の質問ができる。

Apple公式も、Siriの製品知識、より自然な声、タイプ入力などをApple Intelligenceの機能として挙げています*1。

XIV

「未来のSiri」は別問題

ここは非常に重要です。Appleはさらに進んだSiri AIを開発しています。Apple公式サイトでは、次世代のApple IntelligenceとSiriについて、さらなる新機能が予定されていると案内されています*3。

なので、現在使えるApple Intelligenceと、Appleが発表・予告している次世代Siriを混同しないほうがいいです。ここはネットの記事でかなり混ざりやすいところです。

Integration
XV

ChatGPTを呼び出せる

そして、「それChatGPTでいいじゃん」について。実はAppleもそれを認めていて、Apple IntelligenceからChatGPTを利用できる統合機能があります。例えば、Siri、作文ツール、Image PlaygroundなどからChatGPTの力を借りられます。AppleのサポートページにもChatGPT統合が明記されています*2。つまり、Apple Intelligenceだけでは答えにくいことをChatGPTに任せる、という構造です。ここはかなり面白いところです。

XVI

翻訳

Apple Intelligenceにはライブ翻訳もあります。

  • メッセージ:外国語でメッセージをやり取りすると、受信した文章を翻訳して表示できる。
  • 電話:電話での会話についてもライブ翻訳がある。
  • FaceTime:FaceTimeでも翻訳機能がある。
  • AirPods:対応するAirPodsとの組み合わせでは、会話のライブ翻訳もできる。

Appleの現行サポートページでは、メッセージ、電話、FaceTime、AirPodsのライブ翻訳がApple Intelligenceの機能として案内されています*1。これは個人的には、画像生成よりApple Intelligenceを使う理由になりやすい機能だと思います。

XVII

ショートカットをAI化

これは普通の人には少し分かりにくいですが、結構強力です。Appleの「ショートカット」アプリに、Apple Intelligenceのモデルを利用した処理を組み込めます。例えば、入力された文章→AIで要約→結果を保存みたいな自動処理を作れます。Apple公式の機能一覧でも「ショートカットのインテリジェントなアクション」「Apple Intelligenceモデルの使用」が案内されています*1。

XVIII

Apple IntelligenceのAIモデルそのものを使う

ここは一般ユーザーには見えにくい部分。Apple Intelligenceは、全部がChatGPTではありません。Apple独自のAIモデルを、iPhone、iPad、Macなどで使います。処理内容によっては端末上で処理し、より大きな処理ではAppleのPrivate Cloud Computeを利用する仕組みがあります。Appleはプライバシーをかなり強調しています。日本語対応時にも、Private Cloud Computeについて説明しています*1。

Verdict
XIX

Apple Intelligenceの「本当の目的」

ここまで全部見ると、ようやくApple Intelligenceの正体が見えてきます。ChatGPTみたいに、「AIさん、何でも答えて!」という単体のAIではありません。むしろ、iPhoneのあちこちにAIを埋め込むものです。

  • メール:要約/返信作成
  • 写真:不要物削除/自然言語検索/思い出動画作成
  • メッセージ:翻訳/要約/返信
  • 文章:校正/書き直し/要約
  • カメラ:見たものをAIに質問
  • Siri:AIとの窓口
  • ショートカット:AIによる自動処理

じゃあ結局、何が「すごい」の?
正直に言うと、「AIの性能そのものが圧倒的にすごい」わけではありません。文章生成ならChatGPT。画像生成ならChatGPTなど。検索・質問ならGeminiやChatGPT。という選択肢があります。Apple Intelligenceの最大の特徴は、「AIを使うためにAIアプリを開かなくても、iPhoneの普段の操作の中にAIがいる」ことです。だからAIをガッツリ使う人からすると、「いや、ChatGPT開けばいいじゃん」となる。一方で、「AIアプリをいちいち開くの面倒」という人には価値があります。

核心を突いた疑問
ここまで全部並べると、「Apple Intelligenceって、結局ChatGPTとか他のAIですでにできることが多くない?」という疑問が出てきます。これはかなり正しい見方です。Apple Intelligenceの価値は、「今までできなかったことを大量に追加した」というより、「すでにAIでできることをApple製品の操作の中に組み込んだ」というところにあります。そして現状では、Apple公式自身もChatGPTとの統合を用意しています。つまりApple Intelligenceと外部AIは競争だけでなく、組み合わせて使う設計にもなっています*2。

なので、「結局何に使うの?」と感じたのは、かなり自然です。ただし、ライブ翻訳・写真のクリーンアップ・画面のビジュアルインテリジェンス・ショートカットとの連携あたりまで含めると、「単なるChatGPTの劣化版」でもありません。

この全体像を踏まえると、次はApple Intelligenceの全機能を「①めちゃくちゃ便利/②まあ便利/③いらない」の3段階で本音評価してみたいと思います。

Shibairo Blog

参考情報元

  1. *1 Apple Intelligenceを入手する方法 – Apple公式サポート(support.apple.com)
  2. *2 iPhoneのApple IntelligenceでChatGPTを使用する – Apple公式サポート(support.apple.com)
  3. *3 Apple、次世代のApple Intelligence、Siri AIなどを発表 – Apple Newsroom(apple.com/jp/newsroom)