Apple Creator Studio

AIとクリエイティブがさらに近くなる

Appleが「Apple Creator Studio」に新たなアップデートを発表しました。

今回のアップデートでは、Pixelmator Pro、Final Cut Pro、Motion、Compressor、Keynote、Pages、Numbers、Freeformまで、クリエイティブと仕事に使うさまざまなアプリが強化されています。

特に注目したいのが、AIとの連携と、アプリ同士のつながりです。

Apple Creator Studioは、単に複数のアプリをまとめたサービスではなく、
「アイデアを考える → 作る → 編集する → 整える → 発表する」という一連の流れを、Appleのデバイス上でつなげていく方向へ進んでいます。

Creative
I

Pixelmator ProがiPadでさらに本格的に

今回、iPad版Pixelmator Proに「Select and Mask」が追加されました。

複雑な形状をより細かく選択・マスクできるようになり、髪の毛や動物の毛など、細かな輪郭を残した画像編集がしやすくなります。

写真の背景を切り抜いたり、人物や動物だけを別の背景に合成したりする作業にも役立ちそうです。

さらに、スポーツやアクション向けのテンプレート、新しいアイデアやビジネス、製品を紹介するためのテンプレート、Podcast用のカバーアートも追加されます。

II

iPhone 18 Proの映像をFinal Cut Proでさらに編集

動画制作では、iPhone 18 Proでネイティブ撮影した映像に対して、Final Cut ProやMotionでCinematic modeのエフェクトを編集できるようになります。

Final Cut Proのタイムライン上で、ピントを合わせる位置や被写界深度を調整できます。

つまり、

iPhoneで撮影 Final Cut Proで編集 ピントや被写界深度を調整 映画のような映像に仕上げる

という流れが、よりシームレスになります。

Compressorにはソーシャルメディア向けのHEVC、MPEG-4書き出しプリセットも追加されます。

III

KeynoteにもAIが入ってくる

Keynoteでは、インテリジェントなスライド生成が強化されます。

プレゼンテーションの内容に合わせて、スライドに合った画像を自動的に作成できるようになります。

これまでなら、

  • 「文章を考える」
  • 「画像を探す」
  • 「画像を加工する」
  • 「スライドに配置する」

という作業を一つずつ行っていました。

それがAIによって、より短い時間でプレゼンテーションを形にできるようになります。

AI & Apps
IV

Apple Creator StudioとAIの関係

ここは今回のアップデートを理解するうえで、とても重要な部分です。

Apple Creator Studioでは、AIを単独の「AIアプリ」として提供するのではなく、普段の制作作業の中にAIを組み込む方向が見えてきました。

6月のアップデートでは、Final Cut Proに「Generate Captions」や「Edit Detection」、Mac版の「Auto Mask」などのAIを活用した機能が追加されました。1

さらにPixelmator Proでは、自然言語から画像を生成・編集する機能も強化されています。

つまりAppleが目指しているのは、

AIに作品を全部作らせる

というより、

クリエイター自身が作るために、AIを制作工程の中で使う

というスタイルに近いと言えそうです。

V

アプリ同士がつながっていく

もう一つ大きなポイントがあります。

それが、Apple Creator Studioに含まれるアプリ同士の連携です。

6月のアップデートでは、Final Cut Proからキーフレームを直接Pixelmator Proへ送ったり、Keynote、Pages、Numbersに配置した画像をPixelmator Proで開いて編集したりできるようになりました。1

編集した画像は、元の書類へ戻して作業を続けることができます。

これは単なる「アプリの追加」ではありません。

Final Cut Pro Pixelmator Pro Keynote Pages / Numbers Freeform

というように、制作工程そのものがつながっていきます。

VI

FreeformにもApple Intelligence

Freeformも大きく進化します。

ボードはダークモードに対応し、フォルダによって複数のボードを整理できるようになります。1

そして注目なのが、Apple Intelligenceを利用したWriting Toolsです。

Freeformに書いた手書きメモを、

  • 書き直す
  • 校正する
  • 要約する

といった処理ができるようになります。

思いついたことをFreeformに自由に書き込み、その後AIを使って整理するという使い方もできます。

VII

visionOSとの連携も

visionOS 27では、Freeformのボードにある画像、動画、付箋、図形、3Dモデルなどを自分の空間へ取り出して見ることができます。

さらに、3Dモデルを複数人で一緒に見ることも可能になります。

2Dのアイデアボードから、3Dの空間へ。

Apple Creator Studioのクリエイティブ環境が、MacやiPadだけでなく、Apple Vision Proを含む空間コンピューティングへ広がっていることも分かります。

Apple Creator Studioのアップデート内容のスクリーンショット
Apple Creator Studioのアップデート内容のスクリーンショット(続き)
Outlook
VIII

Apple Creator Studioはどこへ向かうのか

今回のアップデートをまとめると、Apple Creator Studioは単なる「クリエイティブアプリのセット」から、少しずつ性格を変えています。

撮影する AIで整理・編集する Final Cut Proで動画を作る Pixelmator Proで画像を仕上げる Keynoteでプレゼンする PagesやNumbersで情報をまとめる Freeformでアイデアを整理する visionOSで3D・空間的に共有する

という、一つの制作環境へ近づいています。

そして、その中心にあるのがApple Intelligenceと各アプリの連携です。

Appleは2026年1月のApple Creator Studio発表時点から、Final Cut Pro、Logic Pro、Pixelmator Pro、Motion、Compressor、MainStageに加えて、Keynote、Pages、Numbers、Freeformにもインテリジェントな機能を組み込む方向を示していました。

今回の9月アップデートは、その考え方をさらに広げるものと言えます。

IX

「AIに作ってもらう」から「AIと一緒に作る」へ

今回のApple Creator Studioを見ていると、Appleが目指している方向が少し見えてきます。

それは、

AIがクリエイターの代わりになるのではなく、クリエイターのアイデアを実現するための道具になる

という考え方です。

写真の切り抜き。

動画の編集。

字幕の生成。

プレゼン画像の作成。

文章の整理。

手書きメモの要約。

こうした作業をAIがサポートすることで、人は「何を作りたいのか」「どう表現したいのか」という部分に、より集中できるようになります。

Apple Creator Studioは、AIだけを前面に出すのではなく、Appleのデバイス、アプリ、AIを一つの制作環境としてつなげる方向へ進んでいます。

これからApple Creator Studioが、クリエイターの制作スタイルをどこまで変えていくのか。

今回のアップデートは、その方向性を感じさせる大きな一歩になりそうです。

— iroha

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