RokidスマートAIグラス、49gのメガネにAI検索・翻訳・ARナビ、その裏にあるプライバシー問題も | Shibairo Blog
Rokid
Smart AI
Glasses
2026.08.26  |  Gadget

RokidスマートAIグラスが面白い。49gのメガネにAI検索・翻訳・ARナビ

便利さの裏にある盗撮・プライバシー問題も考えてみた。

「AIを使う」と聞くと、これまではスマートフォンやパソコンの画面を開いて、文字を入力したり音声で質問したりするのが当たり前でした。ところが、そのスタイルが少しずつ変わり始めています。スマートフォンを取り出さない。画面を探さない。必要なときに、身につけているデバイスへ話しかける。そんな「AIを身につける」という考え方を形にしたのが、今回注目したいRokidスマートAIグラスです。

一見すると普通のメガネですが、その中にはAIアシスタント、カメラ、マイク、スピーカー、ディスプレイ、翻訳機能、ナビゲーションなどが詰め込まれています。しかも重量はわずか49g。Rokid公式サイトでは、翻訳・撮影・検索・文字起こし・ナビなどを視界の中で利用できるデバイスとして紹介されています[1]。かなり未来的ですが、こういう製品を「便利そう」だけで終わらせたくないのがShibairo Blog。カメラ付きAIグラスだからこそ気になる、盗撮やプライバシーの問題もあります。今回は、Rokidの魅力だけでなく、購入前に知っておきたいデメリットや使い方までまとめてみました。

I

49gという軽さの意味

スマートグラスを選ぶとき、ついAI性能やカメラ性能に目が行きますが、実際に毎日使うなら「重さ」はかなり重要です。スマートフォンならバッグに入れておけますが、スマートグラスは基本的に顔に装着するもの。重ければ重いほど長時間使ったときの負担になります。

RokidスマートAIグラスは約49g。両眼Micro LED光導波路ディスプレイ、30°の視野角、最大1,500ニトという仕様を備えつつ、この軽さを実現しています[1]。旅行中、街歩き、仕事、ちょっとした調べ物。そんな日常的な用途を考えると、軽さは単なるスペックではなく「毎日身につけられるか」を左右するポイントです。

49g本体重量
30°視野角
1,500nit最大輝度
II

「Hi, Rokid」で動くAI

Rokidの面白いところは、スマートフォンのように画面をタップして操作するだけではないこと。「ハイ、ロキッド」と呼びかけることでAIアシスタントを起動できます。公式FAQによると、「ハイ」と「ロキッド」の間に少し間を置いて呼びかけるのがコツとのことです[2]。

  • 「これは何?」と目の前のものについて尋ねる
  • 「今日の天気は?」とその場で確認する
  • 「この文章を翻訳して」と即座に頼む
  • 「この場所について教えて」と観光地で質問する

スマートフォンを取り出してアプリを開き検索する、その手間を減らせるのがAIグラスの魅力です。ただしAIが常に正しいとは限りません。公式FAQでも、現在のAIは日本語の同音異義語や音読み・訓読みが苦手だと案内されています[2]。「AIだから全部正解」と考えないほうがよさそうです。

III

89言語のリアルタイム翻訳

Rokidで特に気になる機能が翻訳です。公式製品ページでは最大89言語の翻訳に対応すると案内されています[1]。空港、ホテル、レストラン、駅、観光地──今まではスマートフォンを取り出して翻訳アプリを開き、画面を見ながら確認するのが一般的でした。

Rokidなら翻訳をメガネの中に持ち込めます。公式FAQによると、リアルタイム翻訳はグラスまたはアプリから起動し、翻訳する言語はアプリ側で設定する仕組みです[3]。「スマートフォンで翻訳する」のではなく「メガネをかけたまま翻訳する」という発想は、海外旅行との相性がかなり良さそうです。

IV

オフライン翻訳の注意点

海外で気になるのが通信環境です。空港からの移動中や海外SIMの設定がうまくいかないときなど、電波が弱い場面もあります。そこで役立つのがオフライン機能。公式FAQでは、言語データをダウンロードすることで主要6言語をオフラインで利用できると案内されています[2]。

ここは購入前に確認しておきたいポイントです。「最大89言語の翻訳」と「オフラインで使える言語数」は同じではありません。自分が必要とする言語がオンライン・オフラインどちらに対応しているのか、事前にチェックしておくと安心です。

V

ARナビとスマホの関係

個人的にかなり気になるのがARナビです。知らない街でスマートフォンの地図を確認するのは、取り出す・見る・向きを確かめる・歩き始める・また分からなくなる、という繰り返しになりがち。Rokidのフル機能モデルはナビゲーション情報を視界に表示でき、画面を覗き込むのではなく視界の中に情報を表示するという考え方です[1]。

ただし公式FAQでは、ナビゲーションはGoogle Mapsをベースにしているものの、私有地や私道はGoogle Maps上で表示されないため遠回りになる場合があると説明されています[2]。「ARだから絶対に迷わない」わけではなく、周囲の道路状況も確認しながら使うのが安全です。

結論から言えば、現時点のRokidはスマートフォンの完全な代替品ではありません。大画面での確認、写真・動画編集、決済、長文入力、SNS、詳細な地図操作――こうした点はスマートフォンが圧倒的に得意です。「スマホを捨てて生活する」デバイスというより、「スマホを取り出す回数を減らすデバイス」と考えるほうがしっくりきます。

Privacy
VI

盗撮とプライバシー問題

ここまで見るとかなり魅力的ですが、AIグラスにはスマートフォンにはない問題もあります。特に気になるのがカメラとプライバシーです。Rokidには12MPカメラが搭載され、写真・動画撮影に対応しています[1]。スマートフォンを手に持ってカメラを向けていれば周囲は「撮影している」と気づきやすいですが、メガネの場合は「今撮影しているのかな」と判断しにくい。ここがカメラ付きスマートグラス最大の論点だと思います。

  • 電車・カフェ・店舗など人が近い空間
  • 美術館・コンサート・劇場など撮影に配慮が要る場所
  • 職場・学校など日常的にすれ違う相手がいる場所
  • 人が多い観光地でのすれ違いざまの撮影

本人に悪意がなくても、周囲の人が不安を感じる可能性はあります。だからこそ「撮影できるから撮る」ではなく「ここで撮影していいのか」を考えて使う必要があります。

一方でRokid側もこの問題を考慮しています。公式FAQによると、カメラを起動すると反対側のテンプル角にあるLEDが点灯し、LEDを遮るとカメラが起動しない仕組みになっています[4]。さらに、カメラ操作中のLED点灯をユーザー側で消すことはできないと明記されています[4]。つまりRokidは「撮影を隠して行う」ことを前提にした設計ではなく、LEDによって周囲に状態を知らせる仕組みを採用しています。それでも利用者側のマナーは必要で、撮影禁止の場所では使わない、人を撮るときは許可を取る、プライベートな空間では使わないといった配慮は、スマートフォン以上に意識したほうがよさそうです。

施設によっては使用そのものを断られる可能性もあります。映画館、美術館、コンサート、劇場、学校、企業、病院など撮影が禁止されている場所は少なくありません。スマートフォンなら「しまってください」で済みますが、カメラがメガネに組み込まれていると施設側も判断が難しくなります。「どこでも普通のメガネのように使える」とは考えないほうがいいでしょう。

AIにも苦手なことがあります。物体認識について、公式FAQでは動いている物体の認識が苦手で、対象までの撮影距離にも注意するよう案内されています[2]。医療・法律・金融・安全・重要な契約など、AIの回答だけで判断するのは避けたい分野もあります。Rokidは「自分の代わりに判断してくれる機械」ではなく「判断をサポートするアシスタント」くらいに考えるのがちょうどよさそうです。

VII

バッテリーと度付き対応

毎日使うならバッテリーも気になるところ。RokidスマートAIグラスには210mAhのバッテリーが搭載され、公式FAQでは機能を使用し文字を表示させた状態での連続使用時間は約2時間弱とされています[2]。「朝から夜までずっと使えるメガネ」というより「必要なときに使うAIデバイス」と考えたほうがよさそうです。専用のポータブル充電ケースも用意されており、公式サイトでは3,150mAhのバッテリーでスマートグラスを約10回フル充電できると案内されています。旅行で一日使いたい人は、こうしたアクセサリーも一緒に検討したいところです。

普段メガネを使っている人も要チェックです。Rokid本体には視力矯正機能がなく、公式FAQでは視力を調整する場合は別途レンズを作成する必要があると案内されています[2]。専用のクリップオン式フレームも用意されており、度付きレンズの作成に対応できます[5]。本体価格だけでなく、レンズやアクセサリーまで含めた総額で考えたほうがいいでしょう。

Outlook
VIII

価格と向いている人

実際に使い始めるにはスマートフォンとの連携が必要です。対応OSはAndroid 10以上、iOS 16.0以上。初回はグラスの右テンプルを折りたたんだ状態で、前方の物理ボタンを3回素早く押してペアリングします。その後は専用アプリと接続し、翻訳の言語設定やAI起動などを行う流れです。

RokidスマートAIグラスの公式価格は109,890円(税込)と、決して安いガジェットではありません[1]。オンライン翻訳・文字起こし・要約・ナビゲーションは有料機能で、AIアシスタント自体に月額料金はかからないものの、有料機能はポイント制になっています[2]。「本体を買えばすべて無料」というわけではないので、翻訳やナビを頻繁に使いたい人は利用料金まで含めて検討したいところです。

  • 最新AIガジェットが好き、新しい技術を先取りしたい人
  • 海外旅行に頻繁に行き、翻訳機能を使いたい人
  • スマートフォンを取り出す回数を減らしたい人
  • ARナビやハンズフリー操作に魅力を感じる人

逆に、カメラ付きデバイスに抵抗がある人、プライバシーを非常に重視する人、長時間バッテリーを最優先したい人、AIの回答を完全に信用してしまいそうな人、撮影禁止の場所で頻繁に使いたい人は、購入前に一度立ち止まったほうがいいでしょう。「スマートグラスだからどこでも使える」という考え方は禁物です。便利なデバイスだからこそ、使う場所を選ぶ姿勢が重要になります。

IX

まとめ|「AIを持ち歩く」から「AIを身につける」へ

約49gの軽さ、AIアシスタント、最大89言語の翻訳、オフライン翻訳、ARナビ、カメラ、音声操作、そして視界の中に情報を表示するディスプレイ。RokidスマートAIグラスは、これまでスマートフォンでやっていたことの一部をメガネへ移そうとしているデバイスです。

とはいえ「未来のガジェットだから買う」という話ではありません。価格は10万円を超え、バッテリーは約2時間弱、一部機能は有料、AIにも苦手なことがある。そしてカメラがある以上、プライバシーへの配慮も欠かせません。まだ完璧なデバイスではないのは間違いないでしょう。

それでも面白いのは、Rokidが見せているのが単なる新しいガジェットではなく「AIをどう使うのか」という次のスタイルだからです。これまでは、スマートフォンを取り出し、画面を見て、検索する流れでした。これからは、AIに話しかけ、視界の中で情報を見る、という時代になっていくのかもしれません。一方で、カメラ付きAIグラスが社会に受け入れられるには技術だけでは足りません。撮影していい場所か、周囲が不快に感じないか、施設のルールに反していないか、AIに入力した情報がどう扱われるのか。便利さとプライバシーをどう両立するのかが、Rokidを含むAIグラス全体がこれから乗り越えていくテーマなのだと思います。

もし実際に触ってみたいと思ったら、まずはRokid公式の製品ページで仕様を確認してみるのがおすすめです。使い方についてはRokid公式FAQにも詳しく掲載されています。Shibairo Blogでは、これからも「スペックがすごい」で終わらせず、実際に買う価値があるのか、生活がどう変わるのか、注意すべき点は何なのかまで含めて、最新ガジェットを見ていきたいと思います。

参考情報元
  1. Rokid公式サイト|スマートAIグラス製品ページ
  2. Rokid公式FAQ|使い方・設定・トラブル解決
  3. Rokid公式|リアルタイム翻訳機能の使い方
  4. Rokid公式|プライバシー設定・録画禁止について
  5. Rokid公式|クリップオン式フレーム
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